15歳のラビリンス
「び、びっくりした…。彩乃って、年上タイプかと思ってたから…」
「だよなー。オレも彩乃っちが貴昭と付き合うとは思わなかった」
そう言いながら空を見上げたジン。
夕暮れがかった空は、白い雲が筋状に広がってる。
彩乃とは幼稚園のときから一緒だったけど、美人でよく男子にモテた。
それは今でも変わらない。
貴昭と付き合うことに決めたのなら、彩乃だって貴昭のこと、好きなんだろうし…。
幸せなら私はそれで嬉しい。
「…お前は?」
「へ?」
不意に問いかけられて、我に返った。