15歳のラビリンス


「び、びっくりした…。彩乃って、年上タイプかと思ってたから…」


「だよなー。オレも彩乃っちが貴昭と付き合うとは思わなかった」



そう言いながら空を見上げたジン。


夕暮れがかった空は、白い雲が筋状に広がってる。



彩乃とは幼稚園のときから一緒だったけど、美人でよく男子にモテた。


それは今でも変わらない。



貴昭と付き合うことに決めたのなら、彩乃だって貴昭のこと、好きなんだろうし…。


幸せなら私はそれで嬉しい。



「…お前は?」


「へ?」



不意に問いかけられて、我に返った。


< 72 / 338 >

この作品をシェア

pagetop