15歳のラビリンス
同じ受験生だってのに、同じ学年で付き合っている人って結構いる。
図書室で放課後、一緒に勉強したり、塾に一緒に通ったり。
登下校、手をつないでる姿見かけたり。
私と違ってそういう人達って、灰色の受験生じゃないんだろうなぁ。
受験生なのにバラ色かもしれない。
「美織、今日は塾ないよね?」
「うん、ないけど?」
カンナがふと言ったので、私はうなずいた。
「じゃ、学校終わったら一緒に宿題やらない?」
「いいけど……」
まさか、このカンナの一言が
これからの私の人生を大きく変える事になるなんて
この時は想像もつかなかったんだ……。