15歳のラビリンス


触れるだけの軽いキスだった。


でも、突然の事だったし心の準備もできてなかった私は、心臓が止まるかと思うくらいびっくりした。



「…帰ろうか」


「…うん…」



ちょっと恥ずかしくて、まともにジンの顔を見る事ができない。


だって、ファーストキスだったから…。




ジンが自転車をこいで、ジンの背中で風を感じても、私のドキドキは止まらなかった。


大人達からの威圧感なんて忘れたくらい。




…今が大事な時期…。



受験生にとってはそうかもしれない。


だけど、私にとってジンとのこの時間は今、一番大事。





今、この瞬間が一番大事…


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