甘い先輩と秘密の関係
へ?
後ろを振り向くと、さっきの声の主がいた。
髪の毛は明るくもなく、暗くもない茶色。
瞳は、見たものすべてをうつし出すような漆黒の色。
あ、このセリフこの間も言った。
やっぱり、あの結城先輩?
「聞いてんの?」
「え、あ。はいっ。あの、“結城先輩”ですよね?」
「あ?なに言ってんの?」
顔をしかめる先輩らしき人。
あちゃあ~。やっぱり結城先輩じゃなかったか。
「ち、違いますよね。ごめんなさい。失礼な事言ってしまって」
かなり、私失礼だったよね・・・。
ってか、その前に一度見た結城先輩の顔を忘れるなんて・・・どんな神経してんの、私。
「俺、結城 曜だけど」
低く、透き通る声が私の耳に飛び込んできた。
その声は、怒っている、という風にも解釈をとれるだろう。
きゃぁーーー!!!
私、もっと失礼な奴だー。