甘い先輩と秘密の関係
「あっ。そういえば、今日高等部に見学に来るとか言ってたかも」
昨日、雫がそんなこと話していたような・・・。
「見学かぁ。まだ、入学まで一年あるのに早いねー」
あと一年すれば雫も高等部に来る。
本音を言えば、同じ高校は抵抗ある。
けど、中高一貫だから仕方のないことか…。
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私が雫と差を感じ始めたのは、小学校の頃。
お父さんも、お母さんも、私のことは放っておいて、そっちのけで雫を可愛がった。
だから、私のことをみんなは忘れちゃってるんじゃないか・・・って思い続けた。
勉強だってそう。
「なんでこんな点数しか取れないの?もっと雫を見習いなさい」
私が毎回テストを見せると、お母さんは同じことしか言わない。
どうして妹を見習わないといけないの?
そんな事を思っても口には出せなかった。