~紅茶~
客が来た。

「水音郁さんはいらっしゃいますか?」

「はい。 私ですが…何か。」

タッタッタッタ…

「郁!!!!!!!」  ぎゅぅぅぅ…

「!!!!!!!!!!!!!!!! な…なんなんですか!! いきなり!!!」

「やっと会えたね…俺の愛しの郁…。 ずっと会いたかった…」 ぎゅぅぅぅぅぅ

「だから!! 誰ですか!!!!!」

「俺だよ 郁。 お前の婚約者。」

「は?」

「須ヶ原海斗」

「…あ!!!!!! 須ヶ原海斗!!!  って…婚約者じゃない!!!!!」

「照れちゃってぇ~俺の可愛い郁~」

「きもちわるい。 離れろ。」

「冷たいなぁ~  まぁそういうところも可愛いな…」

須ヶ原海斗(すがはらかいと)

私の住んでいるマンションのとなりの部屋の住民。

なぜかは知らないが勝手に婚約者ぶっている嫌な奴。

そういえば最近引っ越したとか…

「引っ越してから会えなくて寂しかったよ…」

「そう。」

「今度家に来るかい?」

「結構。」

「いいからさぁ」

「結構。」

「いいから来なよって」

「結構。」

あー…面倒くさい!!!!

こういうしつこい奴が一番嫌いだ。

早く帰ってくれ。

私はお前なんか好きじゃない。











































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