たった12ピースのパズル
1p
4月
ザーザーと窓を叩く雨音で目が覚める
始業式
今日から高3だっていうのに
気分が下がる
どうせクラスは特進クラスで変わらない
話だって毎回ほとんど同じセリフなんだし
今日はもう…
−ブーッブーッ
震える携帯
ディスプレイを見てはぁっとため息をついてから
通話ボタンを押してそれを耳にあてた
「もしもし琉那(るな)?ちゃんと起きてるかぁ?」
こんな朝にも関わらず
いつもと同じハイテンションな声の男
「崇(たかし)、私今日パス…」
「はぁ?!ちょっと待てよ!3年になった1日目だぞ」
「わかってるよ…でも、だから何?って感じじゃん」
3年になったからって特別変わることもなければ
今日は別に授業もないし
「おま…まぁいい。とにかく今からそっち行くから。じゃあな」
私の返事も聞かずに切れた携帯を眺めながら
またはぁっとため息をついた。