たった12ピースのパズル
次の日
いつもより早く家を出た
『まずはきちんと名前を聞いてくること。いいか?』
昨日タクにそう言われ
今日、一歩目を踏み出す。
自分でもドキドキしているのがわかる。
「琉那」
後ろから声をかけられ、ドキッと心臓が跳ねた
「あ、崇…おはよ」
「おう、おはよう」
ニッコリ笑う崇だけど…少し元気がない気がする
「「あのさ…」」
二人の声が被って
二人とも黙ってしまった…
「どうした?」
崇が優しく声をかけてくれる
こうして改めて見てみると
崇は本当に良い奴なんだとわかる。
いつも優しくて
私のことを想ってくれて…
それなのに…
「昨日はごめん」
自然とそう呟いていた
「え、あ…いや、俺も悪かったから…さ。」
戸惑って目を泳がせている崇がなんだか可愛くて
ふっと笑顔が浮かんでいた
「学校、行こ」
「あ、おう!」
二人で笑い合いながら
学校へと向かった。