たった12ピースのパズル
2p
5月
5月に入り
テストや模試、進路調査などが続き
特進クラスの雰囲気はますますピリピリとしていた
だからまだ学校は好きになってないし
楽しくもなってない
でも
ちょくちょく出されるタクのミッションは
少しずつだけど私の中の何かを変えて行ってくれている気がした
「お、きたか。今日はなんだ?」
クルリと椅子を回してこっちを見た先生
腕を組みながら、ん?とうれしそうに首を傾ける
「…好きな食べ物」
「はは。そうだなぁ…オムライスとか結構好きだぞ、俺。」
「あ、私も…」
思わずこぼれてしまった言葉に
ハッと口を押さえた
「そうかそうか。高峰もオムライス好きかぁ」
うんうんと頷きながら満面の笑みを浮かべる先生に
恥ずかしくなって
またダッシュで準備室を飛び出した