たった12ピースのパズル


「着いたぞ~」

先生の声で目を開ける


「おはよう、高峰」


…ペコっと頭を下げ

すぐにバスを降りた。



「琉那!」

Aクラスの列から崇が手を振ってくる


近づいていくと

「もうすぐ自由行動らしいから、一緒に回ろうか」

と笑いかけられた


「あー…うん。いいの?」

AクラスからEクラスの人は全員参加だから

グループが決まってるのに…


「いいのいいの。な?」

周りの人たちに崇が言うと


「高峰さんなら大歓迎!」

「高峰さんと一緒とかうれしい!!」って

なぜだかわからないけど、スゴク歓迎ムードだった。


「そう。ありがとう」

少し笑って言うと

崇に頭を撫でられた。




「高峰!」

後ろから呼ばれ振り返ると

先生が少し不機嫌そうに立っていた


「お前バスの中で俺と一緒にって…」


「あ…」

そういえば、そんなこと言われて

はいはいって返事しちゃったかも…


「何?琉那、先生と…」

崇がチラッと先生を見る


「あ、でも、別にいっか。ほら…」

崇が目線をやったその先には

先生めがけて走ってくる女の子たち…


「先生私たちと一緒に回ろう!」

「私たちとだよ!!」

「今日は私服なんだね!写真撮ろう?」


先生の周りを取り囲むようにたくさんの女の子たちが集まり

ガッチリと腕を掴まれてるのが見えた。


「…そうだね。行こ」

なぜか少し苛立って

崇の腕を掴み歩き出し…


「あ、おい!!」

先生の声も聞こえたけど

そのまま振り返らずに進んだ…。




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