たった12ピースのパズル
「どこから回る?」
崇の友達が園内マップを広げ言う
「まずジェットコースター制覇しようぜ!」
「あ、いいな!」
「一回転するやつもあるらしいぞ!!」
そんな男子の会話を黙って聞きながら笑っていると
「あ!あそこにクレープ売ってる。琉那、食べるか?」
崇が顔を覗き込んできた
「あ、うん。食べる」
笑顔で答えると
崇は
「わかった。待ってろ」
と、一人でショップに走って行った
「相変わらずだなぁ、あいつも」
崇の友達たちが笑う
そのうちの一人が
「高峰さぁ…そんなにあいつと一緒にいて、あいつのこと頼ってんのに…なんであいつに応えてやんねぇの?」
そんなことを言うもんだから…
シンと静まりかえって、気まずい空気が流れた…
「おい、鉄!」
「俺らが口出すことじゃねぇよ」
慌てて友達たちが言う
でも
「…そうだね。自分でもそう思うときがある。崇はきっと…良い彼氏になってくれるのにって…」
クレープを一つ頼んでる崇に視線を向ける…
本当に、そう思うときがあるんだ
崇なら優しいし
いつも私を一番に想ってくれて…
きっと崇は裏切らない。
だけど…
「…いや、あいつのこと考えてやってるならいいんだ…。悪かった。」
そう呟いた友達思いの崇の友達に
ううん…と首を横に振った…。
「何だよ?この空気。どうした?」
すぐに戻ってきた崇がみんなを見まわしながら言う
「…いや、こいつがジェットコースター乗れねぇなんてしらけること言うからさぁ」
一人が言うと
「俺?!俺乗れるし。てかお前だろ」
「俺かよ!俺じゃねぇし」
とガヤガヤとまた騒がしい雰囲気に戻った。
「はい」
崇がクレープを差し出してくる
「…ありがと」
それを受け取って言うと
「どういたしまして」
と満面の笑みが返ってきた…。
崇
…ごめんね。