たった12ピースのパズル
ベンチの近くに自動販売機があり
何か飲み物でも飲もうと歩いて行くと…
「高峰!!」
とどこからか名前を呼ばれる声がした。
キョロキョロと周りを見回すと…
「あ…」
先生がダッシュでこっちに向かって走ってきてた
なんで一人なんだろう…
「お前、なんで一人なんだよ!」
そう言われ
キョトンとする。
「先生もじゃん」
「俺は…あれだよ。…いいんだよ」
膝に手をつき、はぁっと息を整えながら苦笑いする先生
「で、高峰は?」
「私は…みんなここに入ってるから、待ってる」
チラリとお化け屋敷を見ると
あぁ…って先生の声が聞こえた。
「…っていうかさぁ、お前俺と一緒にいるって言ってたのに、なんで他のやつらといるんだよ…しかも男ばっかり…」
またその話しか…
「先生だってさっきまで女の子ばっかりといたんでしょ。いいじゃん別に…」
「…それって…ヤキモチ?」
「はぁ?!ありえないし、なんでそうなんの?意味分かんない」
この人やっぱり
おかしいおかしいとは思ってたけど
本気でやばいみたい。
「いや、そうだよな。悪い…」
ほんの一瞬、切なげな表情を見せた先生だけど
え…と思ってる間にいつもの顔に戻っていた。
「でもな高峰、約束は守らないといけない。っつーことで、罰として、今から俺と一緒にここ入ろう」
「なんで?!ヤだよ。お化け屋敷嫌いなの!」
断固拒否の姿勢を見せるけど
「俺にいくらでも抱きついていいから」
とわけのわからないことを言われ…
強引にお化け屋敷内のトロッコに乗せられた。