たった12ピースのパズル
「琉那っ!!」
名前を呼ばれ
ようやく意識が戻ってくる…
振り向くと、崇がグラウンドを突っ切り
こっちに向かって走って来ていた…
「今日は別々に行こうって、そういうことだったのか…?」
あと数メートルのところまで来て…
はぁはぁと息を整えながら
でも…、とても切なげな視線を向けてくる…
「え…?」
「…ごめん。俺…」
「崇…?」
「…望みがないなら…琉那と友達…続けてらんねぇかも」
ふっと俯くようにそらされた視線に
頭がついていかない
「悪い…」
崇は消えそうな声でそう呟くと
私に背を向け…
校舎の中へと走って行った…
ドクンドクンと鳴る
心臓の音だけが響き
大切なものを失ったと
頭じゃなく心で知った
5月最後の日…