たった12ピースのパズル



「やっぱり琉那は特進クラスで、俺はAクラスだった…」

人ごみから出てきた崇は残念そうにガックリと肩を落とす


「へぇーAになれたんだ…」

2年のときにCクラスだった崇がAクラスになれたのは意外だった

きっと陰で勉強してたんだと思う。

でも、特進クラスはそのもう一つ上のクラスだから。


「ま、別に変らないじゃん」

違うクラスっていうのは去年も一緒。

だからどうってこともないんだけど。


「そうだけど、はぁ~…」


まだガックリとため息をついてる崇を置いて

教室へ歩き出す。


グチグチ言われてもどうしようもないしね。


新学期早々だからか

廊下を歩いていてもいつもより騒がしい


でも、

特進クラスの教室に入ると

カリカリとシャーペンを走らせる音くらいで

まるで別の場所のように静まり返っていた。


黒板に張っている座席表を確認してみても

2年のときと同じ一番前、左側の窓際の席。


小さくため息を吐きながらその席に着くと

ドサッと置かれたカバンの音だけが教室に響いた…



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