たった12ピースのパズル
「高峰…?」
「行けばいいんでしょ、学校。わかったから…帰って」
声が震えないように
涙が零れないように
唇を噛みしめ、精一杯冷たく言う…
なのに
先生が帰ろうとする気配は一向にない。
それどころか…
後ろから、また抱きしめられた…。
「帰れない…。高峰のこと、放っておけない…」
「なんで…いいじゃん、生徒の一人くらい放っておいても!放っておいてよ!」
一度零れた涙は止まることなく
次から次へと零れていく…
もう…ヤだよ…
苦しいよ…
お願いだから放っておいて…
私の心をこれ以上乱さないで…
傷つけないで…
「ただの生徒一人なら…放っておいたかもしれない…」
「え…?」
「でも、高峰だから…俺は高峰だから放っておけない」
強く
何かを決心したように放たれた言葉は
真っ直ぐに私を突き刺す
肩をグイッと反転させられ
先生と向き合う形になった…
涙で歪んで見える先生
でも
しっかりと目が合っているのはわかった