たった12ピースのパズル
―カランコロン…
「あ、いらっしゃ…って琉那か。なんだ?またサボりか?」
個人経営の小さなカフェ。
そこの店長のタクが少し呆れたように笑う。
「どうせいてもいなくても同じだし。それよりお腹空いた…なんか作って」
ここのご飯はおいしくて、
食後のカフェオレもホッとするような安心感がある。
「まったく…。ちょっと待っとけ」
タクは私をいつもの席に座らせ頭を撫でると
厨房へと入って行った。
タクは私にとって
お兄ちゃんみたいな存在で
タクも私を妹みたいに見てくれる
それが結構うれしくて
だからって訳じゃないとは思いつつも
気がつけばいつもここにいる。
「タク、私今年も特進クラスだった~」
厨房へと話かけてみる
「そうかぁ!琉那はかしこいもんな。サボり魔だけど」
何かを炒める音と共にタクの笑い声が聞こえてくる。