遠距離恋愛
逢えなくなったデートの日から1週間が経った。
明日は誕生日。
ハルはデートがキャンセルになった日に、謝りのメールと共に誕生日は一緒にいるからって書いてあった。
まだ約束を覚えててくれたことが嬉しくて。
私は明日のために洋服を買って、美容室にだって行った。
自分の誕生日だからじゃない。
ハルに逢えるから。
楽しみ過ぎて、ベッドに入ってからもなかなか寝付けなかった。
小学生みたいだけど、そんなことどうでもよかった。
次の日は朝から自分一人で大騒ぎ。
待ち合わせは11時に駅の改札。
5分くらい遅刻しちゃった私は急いで改札までのエスカレーターを駆け上がる。
気持ちに体が追い付かなくて足がもつれそうになった。
なんとか改札に着いた私は首をくるくると回してハルを探す。
良かった。
まだ来てなかった。
遅刻かな、そう思った次の瞬間、携帯がコートのポケットの中で震えた。
嫌な予感がする。
遅刻じゃなくて、キャンセルの電話だったら…?
ディスプレイには友田悠って文字。