ゼブラ

怖いほど真剣に告げられた言葉の意味は、正直よく分からなかった。取りあえず曖昧に頷いた鈴木刑事は、手帳にそのまま書き残す。

言いたい事だけ言って満足したのだろう、静かにソファへもたれ直した男の様子から、今度は自分の番だと判断した鈴木刑事は、最初にずっと気になっていたことをぶつけた。

「それで、縞村さん。貴方、一体何者なんです」

気だるそうな切れ長の瞳が、眼鏡越しに彼を捉えた。
小さく鼻を鳴らす。

「只の大学教授だよ。正確に言うとN大学心理学部心理学科の准教授をしている。専門は、犯罪心理学だ」

足も腕も組み、ソファにふんぞり返りながら博士改め、縞村先生は宣った。
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