ゼブラ
解決編
「では事件当時、この家には誰もいなかったという訳ですね? お二人以外にお住まいの方は?」
鈴木刑事が淡々と質問をしていく。
「いや、居ない。因みに住んでいるのは私だけで、璃々子くんの家は別だ」
「はい、私は通いメイドなんですよぅ。日中だけ、博士の身の回りのお世話をさせて頂いてるんです」
何と羨ましい。浮かんだ想いを、鈴木刑事は息を吐いて追い出した。
縞村博士は、先ほどの奇妙な迫力など勘違いであったかと思わせるほど、だらだらしながら質問に答えていた。
それを、璃々子が丁寧に捕捉する、という状況が繰り返されている。
鈴木刑事は手帳を捲った。