ゼブラ
突然会話に低い声が割って入った。つられて元を辿ると、その声の持ち主は部屋の入口に仁王立ちしていた。
「菊地原警部!」
「テメェ鈴木……いつまで聞き取りに時間かかってやがる。やる気あンのか、え?」
「す、すみません!」
恐ろしく冷たい眼差しに、地の底を這うような低い声は、鈴木刑事でなくとも謝りたくなる雰囲気だ。
そのまま無言でこちらに歩を進めて来た菊地原警部は、璃々子を真っすぐ見据えると、再び尋ねた。
「今の話はホントか、嬢ちゃん」