ゼブラ

若い刑事の明朗快活な様子に、思わず璃々子は隣に座る男を見ていた。明るさとかけ離れた男、つまり雇い主だ。

場所を室内に移された今、現場の庭には警察の人間が行き交い、此処からでは彼のお目当て――つまり、死体が良く見えない。

そのせいかさっきから苛々と、窓の方を何度も見ていて、非常に鬱陶しい。

璃々子はにっこりほほ笑んだ。

「博士、落ち着いて下さいよぅ、第一発見者は博士なんですから、しっかり証言しないとぉ」
「誰だ、警察なんて呼んだ奴は。私の楽しみを奪って満足か!」

目の前に警察が居るのに、酷い言い草である。

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