君は俺のターゲット
「え?!予告状が?」


どうやら届いたらしい。


「はい、わかりました。失礼します!…ごめんね、冬路。行かなくちゃ!」



「おう!行って捕まえてこい!!」


俺がそう言うと舞里は
ニコッと笑ってコートを
羽織って行ってしまった。



一人になった部屋でチャンネルを変えると、もう予告状の話題で持ちきりと言ったようだ。



『世界にその名を轟かせている大泥棒が今夜、アルビニーノ美術館のあの名画を盗むとか。皆さんどう思いますか?』



『そうですねぇ…彼ならやっちゃうんじゃないでしょうかねぇ?』



『ゴーストならね。』



世界の大泥棒と言われる彼は、
漆黒の服をまとい足音を立てずにターゲットを盗む様子から
その名がついた。



しかし、彼は物だけでなく、
持ち主の女性の心までも持ち
去ってしまうという話があり、
その容姿はさぞかし妖艶なものなのだろうと言われている。


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