君は俺のターゲット(2)
≡1st≡

事件

「あぁ。無理はすんなよ。」



夜。



部屋でソファーに座りながら、ある人物と電話をしていた。



ある人物とは・・・



『うん、ありがとう。都民の平和はあたしが守らなくちゃ!』



茶目っ気たっぷりに言う彼女は、俺の愛しい人。



「守ってもらおうじゃんか、刑事さん?」


「もちろんですとも!」



笑って話しているけども、これは空元気。



今、舞里達刑事を悩ませている事件のせいだ。



名残惜しいが、忙しい舞里を思い電話を切る。



そしてテレビをつけると、丁度問題の事件のニュースが入っていた。



「昨夜、またも被害者が出てしまいましたね。」


「えぇ。これで5人目ですよ。」



そう。今舞里が追っている奴は、都内で5人もの人間を切り殺した、平成の切り裂きジャックとマスコミに言われている連続殺人犯。


そんな危険な犯人を舞里が追っていると思うと、心配で何も手に付かない。



だが、自分には何も出来ない。


それが堪らなく悔しく、情けない。



だが、俺を悩ませている問題はもう一つある。



「それではここで、被害者の共通点を見てみましょう。」



アナウンサーが持つボードに書かれている、被害者たちの共通点を見ては、俺は寒気がしてくる。



「黒髪のショートで小柄。そして、ヒールを履く女性、ということですね。」



この共通点に舞里がピッタリ当てはまるのだ。



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