君は俺のターゲット(2)
「お、男?!」



突然後ろから襲ってきた犯人を逆に押さえ付けると、犯人は驚いていた。



そう、今ここにいる刑事とは、舞里のことではない。



舞里に変装した俺だ。



「申し訳ありません。これ以上被害者を増やされると困るもので。それに勝手に人の名前を使ってもらっては、迷惑なので強攻手段を取らせて頂きました。」



体を起こし、俺は後ろへ下がった。



「人の名前?・・・まさか!?」


「えぇ、私の名前はゴースト。怪盗です。」



俺は、舞里の顔と服を剥ぎ、ゴーストの時の装い、そして自分の顔を表にした。



だが、影になっているため向こうからは俺の顔は見えないだろう。



犯人は大分驚いているらしく、焦っている。



「な、何で怪盗が刑事を・・・」


「刑事をというより、彼女はというべきでしょうか。私のことを捕まえようと、必死になってる子ですので、こんなことで殺されては、私も張り合いがないのです。」




よくこんなことをスラスラと言えるものだと、冷静に考えてしまう。



本当は違う。



舞里を一人の大切な女性として



俺は失うわけにはいかないんだ!






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