君は俺のターゲット(2)
彼女は、深く被っていた帽子を取り、かつらも取った。


「よく私だとわかりましたね。」


「えぇ。でも、あなたにたどり着くのに、そこまで時間はかかりませんでした。」


「警察でさえ、あたしには見向きもしなかったのに。」



彼女はうっすらと笑みを浮かべた。



「警察は犯人が男だという先入観を持っていましたし、あなたのその長い髪の毛で、無意識のうちに枠から外していたのでしょう?」



彼女の頭には、茶髪の長い髪の毛が広がっていた。



「でも、どうやって私までたどり着いたんです?そこは知りたいわ。」



その言葉をきっかけに、俺は彼女にたどり着いた経緯、推理を喋り始めた。



最初に、警察が描いていた犯人像と自分の犯人像が違ったこと、そして、捜査の鍵となった第二の被害者である、三谷佳織のことを話して・・・。



三谷佳織のことを話した瞬間、彼女の表情は歪んだ。



「あなたは、彼女をとても憎んでいましたよね?」


「・・・・・・・・・・」



戸惑いの色を見せる彼女。




「なぜなら、あなたの弟さん、槙下要君が・・・彼女の元恋人だったから、ですよね?」



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