君は俺のターゲット(2)
彼女は一つ小さなため息を吐くと



「えぇ・・・・そうよ。」



と呟いた。



「弟はあの女に遊ばれたせいで借金までして・・・すっかり憔悴しきってしまい、半年前に亡くなりました。」


「はい。亡くなった弟さんの仇を討つために、あなたは彼女を殺害する計画を立てました。

一人目に本命をもってこなかったのは、捜査が三谷佳織だけに集中しないように、警察の目を欺くためですね。

そして2ヶ月前、一人目を殺害し、次に本命を殺害。本当はここで終わるはずだったのでしょうが

彼女を殺害した以降も、彼女への恨みは消えはしなかった。だから、彼女に似た女性を次々と殺害した。

違いますか?」



彼女はフッと笑うと顔を上げた。



「いいえ。見事な推理です。ですが・・・

肝心の物的証拠が何一つないじゃありませんか。証拠がなければ、私を犯人にするのは無理ですよね?」



彼女は得意そうに言ってみせた。



だが、俺だってバカじゃない。


証拠がなければ、こんな推理ショーは単なる自己満足で終わってしまう。



「証拠ならありますよ。」





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