君は俺のターゲット(2)
「え・・・!?」


「証拠ならあります。

あなたは完璧なまでに、何一つ証拠を落とさないように、細心の注意を払ったつもりなのでしょうが

ただ一本だけ、犯人のものと思われる髪の毛が、見つかったんです。

その髪の毛があなたの髪の毛と一致すれば、これ以上にない物的証拠でしょうね。」



俺がそこまで言うと、彼女も逃げられないと踏んだのか、ペタンとしゃがみ込んでしまった。


そして、今までのことを話し始めた。



「・・・弟は、とっても優しい子でした。いつも、人のことを気遣い、助けてあげる。そんな子でした。

でもそこをあの女に利用され、弟は借金を抱えてしまいました。

さらに、突然弟の前から姿を消し、遊ばれていたんだと知った弟は徐々に憔悴していきました。」



彼女は、段々鼻声になりながら話していた。



「元気だった弟をあそこまで追い詰め、あげく自殺までしてしまった。

その原因は間違いなく三谷佳織!あの女のせいなんてす!!」



声を荒げ、訴える彼女の瞳からは涙がいくつもいくつも流れ落ちてきた。






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