LOVEらいふ
俺が来る前には奴らがもう遊んでいた。



その姿をみて、俺は帰ろうとおもい、クルっと体の向きを変えた。
そのとき。

『あぁ!あれ光輝じゃね?』

『お!ほんとじゃん!』

『ちょっといこーぜ!』

そう言って、固まっている俺に近づいて、口を開く。



『光輝!お前友達いなくて寂しいだろ〜!
だったら俺らが遊んでやるよ!
なぁ?みんな!』

『『おぉ!!』』


その頃の俺には、これ以上に怖いことはなかった。

『い…いいよ。僕、帰るから。』

俺はなんとか声を振り絞って弱々しい声をだした。


『俺らが遊んでやるって言ってんだろ!こっちこいよ!』


彼らにとって、俺と『遊ぶ』は、『いじめる』ってことなんだ。


『よ〜し!いまから光輝が逃げて、俺らが砂をもって追いかけるんだ。それで、1番早く光輝に砂かけた人が勝ちだ!!』

『よ〜〜〜いっ!スタート!!』


……………もちろんそんなのすぐに追いつかれ、容赦なく砂をかけられる。


――――――そのとき。


「ちょっと!!あんたたち!!」



『なんだ?』


俺も声のした方を見た。


そこにいたのは、
俺とおなじぐらいの背。
栗色の髪は、横で1つに縛られていて、目がクリクリした、とても可愛い女の子。


「そのこ、可哀相じゃない!!
やめなよ!!!」

『なんでやめなきゃなんないんだよ』


「やめないなら、あたしのお兄ちゃん呼んでくるよ!
あたしのお兄ちゃんボクシング習っててめちゃくちゃ強いんだからね!!」


それを聞いた彼らは怖がって逃げた。





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