あっさりめで書かれた文体や、露骨に甘くない、けれどほほえましい恋人のやり取りが、ほどよい恋愛小説感を与えてくれます。
ラブラブな恋愛を、糖尿病にはならずに読める作品です。プラトニックというのです。
けじめをつけに行く彼は潔い。それをきちんと見送れる彼女は慎ましい。嫉妬がどろどろ、愛憎入り乱れ、人が死んで涙する。そんな内容じゃありません。
ごめん、うそ。人はひとり死んでます。けどね。けじめはつけなきゃいけないのです。思い返る日々を辿り、懐かしい土地に帰り、愛しい彼女の元へかえる。
優しい話です。穏やかな話です。BGM?男性シンガーがギターを弾きながら歌うバラードがいいんじゃないでしょうか。