Cheaters
土曜日の夜
お風呂から出て濡れた髪を
念入りに乾かす
いつもより丁寧にメイクして
茉莉からの連絡を待つ
10時くらいに着くと言ってたから
あと10分くらい…
どんな人が来るのかな
かっこいいかな
とか妄想を膨らましてみたりして
♪♪~…
テーブルの上の携帯が鳴った
「はいっ」
『あ、有希?
もうすぐ着くから出てきて~』
「わかったー
すぐ行くね~」
電話を切って
鏡の前で最終チェック
つけまとれてない
服乱れてない
大丈夫 問題ない
ベッドの下からミュールを取り出して
窓から外に出る
いつもの逃走経路
大丈夫、今日もバレてない
庭からこっそり道に出ると
1台の車が停まっていた
「ゆう~」
車の後ろの席の窓から茉莉が手を降っている
やばい
すごい緊張してきた
「こんばんは-」
車に乗り込み挨拶する
「こんばんはーっ
噂の有希ちゃんか
茉莉がよく話してるよ」
すごい笑顔で話しかけてくれた
茉莉の彼氏…隼人さん
なんか緊張がやわらいだ