永久の贄[BL]
「もう見掛けても追い掛けない……から」

「そうしてもらわないと困る。また来た時の事も考えないとな。あー、やる事が多すぎる」


頭を軽くかきながら、再び歩き出す海理の後をまた俺は付いて行って。

また少し進んだ先の野原で立ち止まった。

すると今度は俺に何かを差し出してくるではないか。

月明かりに照らされたその表情は何だか照れ臭そうだった。


「……何だよ?」

「忘れないうちに渡しておく。お前、先週だったっけ? 誕生日だっただろ? 遅くなって悪いが祝いの気持ちだ」


受け取ったそれは青く細長い透き通った石の首飾りだった。

思わず太陽もないのにかざしてその輝き加減を確かめてしまう。

でも太陽の光がなくても、その石は綺麗に光り輝いていた。
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