永久の贄[BL]
「彩十なら苦痛から解放されて、眠っておる。今は問題ない」


“そうか”と安心しようとしたのも束の間、

ある言葉に引っ掛かって素直にそう言えなくなった。……“今は”?

それではまるでこれからも同じ事が続く事を意味しているかのようじゃないか。


「ワシがもっと早くに気付けば良かったのじゃが……」

「それってどういう……」


一度視線をスッと反らしたババ様は覚悟を決めたかのようにオレの目をジッと見つめ、

それからオレに真実を告げた。その真実をオレは受け入れたくなかった。

これは夢か幻なんだと。オレらしくもないが、そう思いたくなってしまっていたのだ。

彩十が呪われていて、このまま呪いが進めば一ヶ月は持たない……だと?
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