永久の贄[BL]
「お前の辛さなんてオレの知った事ではない。贄の分際で逃げ出そうなんて考えるな」

「か、海理様……っ」

《長! お言葉ではありますが……》

「それは流石に言いすぎでは……?」


傍で聞いていた三人(今は二人と一羽だけど)が、

まるで俺をかばうかのようにその海理の何一つ変わらぬ態度に異を唱えようとする。

しかしそれを振り払うかのように、海理は突然俺の肩口を掴み、鋭い瞳で俺を睨みながら怒鳴った。


「お前がして良いのはな、お前自身が助かるって事とオレ達がお前を救うって事を信じるだけなんだよ!」


あまりにも意外過ぎて拍子抜けしてしまった。

もっと酷く罵られるものだとばかり思っていただけに。それから海理は言う。

俺が逃げ出した所で誰も喜ばない事を。それ、さっき哉も似たような事を言っていた気がする。
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