永久の贄[BL]
「それって一体……」

「説明したら長くなるからやめておく。
ただ一つ言えるのは、二十四日過ぎなければ駄目だと言う事だけだ」


それまで何も出来ないって言うのがやたらに悲しく感じる。

じゃあ、あと出来る事は……出来る、事は。


「海理達が望むなら、俺……村の奴ら、を…………」


思わず声が震えてしまう。でももうそれだけしかないのだ。

苦しいけれど、俺を使って里を潰そうとする奴らなんだ。

海理達にとってすれば憎い存在だ。


《彩十様、いくらなんでもそれはいけませんって》

「哉、お前がそれを言うか」

《俺が言うのと彩十様が言うのとでは全く違いますよ、長》


…………よく分からないけれど、哉も同じ事を言ったんだろうな。
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