永久の贄[BL]
二人の会話はまだ続いていたようで、

俺のその言葉に対する返事をしてくれたのは雪と月花だった。


「私達も言いました。村の奴らを皆殺しにする事を。
でもそれを彩十さんが許さないから駄目だ、と海理様に止められました」

「月花の言うとおりです。彩十さん、貴方が育った村なんですよ?
僕達の為に簡単にそんな事を言わないで下さい。
やったとしても、貴方が一番後悔する筈です。……それに」

「それに?」


雪がうつむきながら言葉の続きを発そうとしたのを、海理が止めた。

それ以上は何も言うなと言う事だろうけど、そこまで言われて気にならない訳がない。

でも聞いた所で答えてくれそうにもない。だから諦めた。
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