永久の贄[BL]
「まあ、贄はこっちの自由にしていいって約束だから、そっちが何か口出しする権利はないが」


不敵な笑みを浮かべながらそれを言われると何も言えなくなる。

ああ、畜生。いや。それよりも今は……今は…………。


「頼むから服を着せてほしい」

ずっと裸でいるのも恥ずかしいというものだ。

異形の者にとってはどうってことはなくても。

一人じゃ着れないのが悔しいが、何とか服を着れた時は妙な安心感があった。

ちょうどその時だった。再び誰かが戸を開けて入ってきた。

現われたのは、昨日俺を連れてきた二人のうちの片割れ。

昨日は恐ろしく見えたのに、今日はそれとは打って変わってひどく穏やかな表情をしているではないか。

それもまたある意味恐ろしい。
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