永久の贄[BL]
「やはりこちらでしたか。おはようございます、海理(かいり)様」

「お前か。おはよう。朝から何の用だ?」

「そろそろ朝食ですが、お部屋ではなくこちらにお持ちして宜しいですか?」

「ああ、構わない。今日はここで食べる」


そうか、もうそんな時間か。そう思いながらも俺は初めて“長”の名前を知った。

そうか、海理と云うのか。二人のやり取りをじっと見ていると、

海理と会話をしていた奴がこっちに気付いて微笑みかけた。

こいつ、昨日の奴とは別人じゃないのだろうか。


「それではお持ちしますね」


そいつはその一言だけを残して部屋から去って行った。

部屋にはまた俺と海理だけになった。

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