永久の贄[BL]
「ん…………」

「起きたか」


朝食も済ませ、陽も昇り切って下降を始めた頃に彩十がようやく起きた。

この三日間で総計したら七十二時間中、五十時間は寝ているような気がする。

長く眠っていようとも、彩十がそれに慌てる素振りも見せなければ、

オレもなかなか起きなくて焦る事もしない。

たまに気になって呼吸をしているかどうかを確かめていたとはとてもではないが誰にも言えないが。

今ではすっかりこれが当たり前だ。


「もう、行くの……か?」

「ああ。陽が完全に沈みきったら、だが」

「そう……」


再び眠ろうとした彩十であったが、いきなり目を見開いた。

まだ眠ってはいけないとでも思ったのだろうか。オレの方をしっかりと見て、それから言葉を口にした。
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