永久の贄[BL]
「何故、お前は俺を贄……って言うか伴侶にしようと?」

 何を言い出すかと思えばそんな事か。しかもこの時に聞くか。

それではまるで“もう確実に死を迎えます。だから冥土の土産にそれを聞かせてくれ”と、

懇願しているようにも聞こえる。冥土の土産なんて渡すものか。


「……お前の呪いが解けたら教えてやる」

「……っ!! じゃあ……あの原っぱでの言葉の…………」

「続きが知りたいと? 全部お前の呪いが解けたら教えてやる。オレに何も聞くな。贄の分際で」


冥土の土産を渡すのは、彩十が寿命で死ぬ時だ。お前の死期は此処ではない。

そう言ってやるつもりだったが、あまりにも彩十が変に泣きそうな顔だったからやめておいた。

その言葉が引き金で泣かれでもしたら困るから。
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