永久の贄[BL]
「海理さまぁ……」


「し、死なないでどうか……」


なんとか俺の部屋から海理の部屋に運んだものの目は覚まさず。

熱にやられて布団に眠る海理を、ある程度は落ち着きを取り戻したらしい雪と月花が涙目になって見つめていた。

その傍では弟子の人が二人とは真逆に淡々と診察をこなしている。

俺はそんな正反対な三人の間に挟まれて、どうすれば良いのか分からずただ海理を見ていた。


「三、四日安静にしていれば問題ありません。死ぬような事はないです」


それがこの弟子の見解。……だろうな。俺もそんな気がしていた。

雪と月花はそれを聞いて安心したようではあったが、相変わらずの涙目。

どうしてそんなに慌てふためくのかが全く分からない。大げさすぎる。
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