永久の贄[BL]
「ありがとな」

「いえ、こちらこそ。お大事になさって下さい」


俺一人で見送る事が出来ないから、海理の傍から動こうとしない二人に無理やり見送りを頼み、

その場に残ったのは海理と俺だけになった。……海理の寝顔って初めて見た気がする。

普段はあれだけごう慢なのに、こうして見ているとそんな風には見えない。

一度も寝込んだ事のない海理がこうして寝込むなんて、一体何があったのだろう。

それは誰にも分からない事だろうな。


「……治るまでの間だけだからな。アイツにも任されたし」


二人が戻ってくる前に明かりを消して、予備として置いてあった毛布を引っ張りだし、

そのまま今日は海理の横で毛布にくるまって眠った。畳で背中が痛くなるのは気にせずに。
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