*極甘彼氏*
最近諦めようと思った理由の1つ。
「部活終わってから2人で帰ってるの見た人がいるって~」
隣でキャーキャー言いやがって……
私が居るの知っててやってるな。
チラチラとニヤニヤと
私の方に目をやっているのが分かる。
グラウンドの端で
里英先輩に笑顔を向ける先輩。
私が見てるのを知ってるくせに
そうやってするんだ。
もう、諦めろって事…?
「はぁ…」
自然と出るため息が重い。
もう帰ろうかな。
そう思って立ち上がった――
「よぉ!夏歩」
「げっ…」
あの時の嫌な先輩に肩を叩かれた。