*極甘彼氏*
また、嫌味ったらしく
何か言われると思ったのに。
最初から嫌な先輩だったから
それ以外はないのに。
目の前に居る私の嫌な先輩は
悲しい顔をして私の頭に手を乗せてきた。
「…諦めたいのか?」
「……」
他の人に問われると
自分の考えが分からない。
首を縦に振るのは簡単。
けれど…まだ全然
私は先輩が好きだから
諦める事なんてできるのか分からない。
諦めるって言葉は咄嗟に出ただけで
本当は違うんじゃないのか……
そうやって…
いつだって…
私の全部が先輩を好きな事を
忘れさせてはくれない。