*極甘彼氏*
不安で不安で
足が重いよ……
翔のクラスが見えてきて
一瞬足を止めそうになるも
やっぱり
会いたくて
聞きたくて
足を動かす。
やっと着いた教室のドアから
恐る恐る顔を覗かせば
愛しい人は教室の中心にいた。
「…っ…」
“翔”
言葉が詰まって
愛しい人の名前も出せない。
距離が遠く感じる。
「あれ?夏歩ちゃん?」
翔とよくいる先輩が
私に気付いてしまい
その声に気付いた翔と目が合った。
ど…どうしよう
明らかに私の状態は不審者の様で
翔は不思議な顔をしながら
私に近付いてくる。