*極甘彼氏*


「何してんの、夏歩」

――ドキッ


翔が目の前に来ると
私の胸が波打った。


「…ゃ…」

「昼、もう終わるよ」



何を話していいかも分からず
あたふたする。


そんなの分かってるよ…

いつもお昼に私が来るのに
言うことはそれだけなの…?


「……」

「昼食べたの?」

「…まだ…」


それどころじゃなかったんだもん。


「俺、食っちゃったよ?」

「……ぅん…」


翔の顔を見れなくて
ずっと俯く私。


「早く食べなよ。授業始まるだろ?」

「……ぅん」


ご飯なんて喉を通らないよ。



翔は……
どうして分かってくれないの…?



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