私のドライな彼氏
知香は泣きたくなった。



「ど、どうしてですか?」



泣きたいのを我慢して、毅然と声を出す。



当の昴は知香を見ないで、廊下の方を見ていた。



「理由は言いたくない。」



信じられない!!


知香は今まで我慢していたものを吐き出した。



「先輩にとってあたしの存在って何なんですか?」


「へ?」


「先輩はあたしのこと、特別って言ってくれました。あたしにとってもそうです。だけど、今のこの状況をどう見れば特別って言えるんですか?」


「・・・・・・・・・・・」


「先輩の特別って何なんですか?」



情けなくて、泣けてきた。



昴は知香を見ようともしなければ反論をしようともしなかった。



「あたしは、先輩のこと大好きなのに・・・去年からずっとずっと。だけど、もういいです。・・・さようなら。」




知香はそう言うと、教室から出ていった。



放課後、窓から入る夕陽に照らされる廊下を、泣きながら走って出ていった。



















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