私のドライな彼氏
番外編
ピピッピピッピピッ───・・・


ピッ



「う~ん・・・」



朝日がカーテンに遮られ、暗い部屋の中。


隣に眠る人物を起こさないように静かに携帯アラームを止める。



起きてないね。



寝ているのを確かめ、その寝顔に頬を緩める。



そして、腰にまかれている腕から逃れ、彼女は部屋を出た。



寝る時はあんまりくっつかないのに、朝にはきっちり腰に腕があるのは、毎朝の疑問なんだよね。




今日は確か、講義早い時間だって言ってたなぁ。




時計で時間を確認しながら、今日の朝ご飯とお弁当の材料を冷蔵庫から取り出す。



「あ、危ない。これ賞味期限今日までだ。どうしても忘れちゃうんだよね。良かった気付いて」




そうして、朝ご飯の準備をしてから30分がたった頃。



あ、そろそろ起きてくるかな?



ふと時計を見ると、彼が早い講義の時に起きる時間になっていた。




ガチャッ




「おはよう、知香」


「おはよう・・・・・・す、昴」



出てきたのは、どもりながらも呼び捨てで呼ぶ知香に、不敵な笑みを向ける昴だった。



< 15 / 23 >

この作品をシェア

pagetop