私のドライな彼氏
昴の大学───────



校門で待ち合わせだよね。



家を出て20分ほどして大学へ着いた。



だが校門に昴の姿はなかった。



まだ授業終わってないのかなぁ?



校門に着いたことをメールすると、電話がかかってきた。




『あ、知香か?悪い今からそっち行くから』


「うん、待ってるから急がなくても───」


『ねぇ昴くん。あたしのお弁当、食べてよー』




え?



電話口から聞こえた媚びる口調の女声に、知香は固まった。



『今行くからな』



返事をする前に切られ、知香は携帯を茫然と見つめた。







「悪かったな、待たせて」



5分ほどして、昴が姿を現した。



「あ、うん・・・・」


「弁当忘れるなんて初めてだ。ありがとな、持ってきてくれて」


「ううん。いいの・・・」




さっきの人は誰なんだろう?


仲良いのかな?



電話から聞こえた声が頭に残り、ぎこちなくなってしまう知香。




< 20 / 23 >

この作品をシェア

pagetop