私のドライな彼氏
そんな知香の様子に気付き、昴が顔を覗き込もうとしたとき



「ねー、昴くん!置いていかないでよー」



電話の主の声が聞こえてきた。



あの声、さっきの・・・
昴・・・・・・・・



知香は反射的に昴の手を握った。



それで、様子のおかしい知香の気持ちがようやくわかった昴は、手を離し知香の腰に置いた。




昴!??




「突然外行くからどうしたのかと思った。あれ?その子は」



傍まで来たその女性は、ようやく知香に気付いたようだった。




「俺の婚約者だ」


「??!」


「こ、婚約者?この子が?」



何がどうなって婚約者になったのか分からないが、とりあえず黙っている知香。



「あぁ。同棲してて、忘れた弁当を届けてくれたんだ。だからこれから昼飯に行くんだ」


「お、お弁当ならあたしが持ってきたものが一番よ。だって一流料理店のシェフのお弁当だもの」




突然の婚約者登場にも怯まず諦めない彼女。




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