私のドライな彼氏
しかし、彼には目障りで仕方がなかった。



最近近づいてきた女で、昴に知香がいることも知っているはずなのに諦めない。



「勘違いさせたくないから言うが、俺は知香以外興味無いんだ。俺を追い掛けても時間の無駄だぞ」



苛立たしく言う昴。



今までどんな我が儘も通用してきたお嬢様には屈辱だった。



「そんなこと分からないじゃない?その子よりあたしが劣っているとは思えないわ」



キッとした目で睨まれた。


どうしてそこまで言われなきゃいけないの?



人を侮辱するにもほどがある。




「人を貶すあなたに劣ってるなんて言われたくない」


「は?」


「それに、昴を想う気持ちは誰にも負けない!あたしはどんな昴でも受け入れられるけど、あなたは違うと思う。あなたは昴の上辺しか見てないよ」


「なっ!?」



言い返せなくなった女を見て、昴は知香を引き寄せると歩きだした。





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